男性

勃起のメカニズム 勃起は男性の性行動の原点である

海綿体の充血がベニスを硬直させる

陰茎内部には、尿道を取り囲む尿道海綿体(亀頭も尿道海綿体の一部)と、その上側に左右一本ずつ、計二本の陰茎海綿体が走っている。この海綿体には陰茎澱雛脈と陰茎背動脈がつながっていて、性的興奮にともないその動脈が拡張して多量の血液が流れこむようになっている。一方、これらの動脈とぴったり合わさった静脈には漏斗状の弁があって、動脈が広がるとその反動でこの弁が閉じられてダムのように血液の流出を止めることになる。その結果、海綿体に血液が充満して勃起現象が起こるのである。勃起したペニスが赤紫や赤黒い色に変色するのは、この鬱血によるものだ。そして、これらの海綿体は白膜という伸縮性のない強靭な膜で覆われているために、勃起とともにペニスが硬直していくのである。

ただし、大きく、膨張するのは陰茎海綿体だけで、尿道海綿体には陰茎海綿体ほどの勃起能力はなく、勃起してもさほど固くならない。完全に勃起した状態でも、亀頭やぺニスの裏側に弾力があるのはこのためである。

勃起は性的興奮にともなって起こる生理現象だが、その仕組みは大きくふたつに分けられる。ひとつは性的勃起といわれるもの。これはヌード写真やアダルトビデオを見たり、女性の体に触れたりという視覚や触覚などの刺激によって起こる勃起で、大脳皮質が性的な刺激を感じると、興奮が脊髄を通って腰髄の第一~第二腰椎に伝わり、陰茎の動脈拡張を起こさせる。いわゆる頭の巾で興奮するパターンで、肉体への愛撫は必要としない。街中で、前を歩いていた女性のスカートが風にフワッとまくれ上がった瞬問、まったく意識していないのにペニスが勃起してしまったという反応は、この性的勃起によるものだ。

ペニスの構造図もうひとつは反射性勃起と言われるもので、陰茎・陰嚢・直腸・膀胱など性器や性器岡辺部を直接刺激されることで腰の第一~第二仙骨にある勃起中枢画反応して勃起をうながす。これは純粋に肉体的な反応なので、エロティックなことを考えていなくても勝手にペニスが勃起してしまう。思春期の男の子が自転車をこいでいたらぺニスが大きくなってしまったというような反応である。目覚めたときペニスが膨張している“朝立ち”も、尿が溜まってふくらんだ膀胱が近くの精嚢を刺激したために起こるもので反射性勃起に当てはまる。

もつとも、ペニスへなんらかの刺激が加われば、その信号は大脳皮質へ伝わって性的興奮を呼び起こすことになるので、反射性勃起もいつしか性的勃起に移り変わっていく。

勃起力を高めるには?

十代の頃は女性の姿を想像しただけでペニスが勃起して急角度で上を向くものだが、年齢がかさむにつれて徐々に勃起力がおとろえ、硬度や角度も下降線をたどっていく。男性なら誰もが経験する人生の悲哀といった感覚だろう。

勃起したぺニスが角度を持つ秘密は、体内でペニスの根元を固定している座骨海綿体筋にある。ペニス本体は恥骨につながる靭帯で吊るされている。たとえるなら、恥骨を支点にした天秤棒のようなものだ。

普段は座骨海綿体筋が弛緩しているのでペニスはぶらりと垂れ下がっているが、性的興奮で海綿体が充血すると座骨海綿体筋もいっしょに緊張して収縮する。このため、勃起したペニスの根元側は下方向へ引っ張られることになる。反対に、ペニスの体外に露出している部分は、恥骨をテコの支点に兄たてた格好になり、自然と上方向へ持ち上げられるのである。そして、年齢とともにこの座骨海綿体筋がおとろえるために、勃起力が低下するのである。

そこで問題となるのが、どうしたら勃起力を低下させないでいられるかということ。これまでも、セックスの指導書には勃起力を向上させるさまざまな方法が紹介されてきた。

もっとも一般的なのは、濡れタオルや空きビンを使ってペニスを叩<ぺつスの強化法だろう。とくに道具を用意する必要もなく、入浴中やひとリでいる時間を利用して気軽にできるのがポイントである。しかし、ペニスの構造と照らし合わせてみると、この方法で勃起力が高まるとは思えない。たしかに外的な刺激に対する抵抗力はつくかもしれないが、それが勃起力の向上につながる根拠はどこにもない。試してみるのはかまわないが、あまり強く叩きすぎてペニスを傷つけることのないよう気をつけてもらいたい。

勃起のメカニズムまた、温度差を利用して血行をうながすという方法もある。やや熱めの温水にペニスをひたして手の平でマッサージ。これを一分やったら、ペニスをお湯の中から取り出して、外気にさらしながらさらに一分間のマッサージを。終わったら、根元をきつくにぎって冷水に漬けてまた一分。これを二~三回繰り返せば、しだいに朝起力が回復してくるという。たしかに急激な温度変化は血行促進をうながすものだが、それが勃起力とどう関係しているのかはまったく不明瞭。真偽のほどはなんとも疑わしい強壮法である。

ここで忘れてはならないのが、勃起力の源が靭帯にあること。靭帯そのものを鍛えなければ、勃起角度のぉとろえを遅らせることはできない。

方法はいたって簡単。勃起したぺニスに手を当てて押し下げたら、手を離してぺつスが自力で元に戻るようにするだけ。そのとき、肛門をしめて、できるだけペニスの反発力を強くする。この運動が靭帯を伸縮させて、筋力の老化を遅らせるのである。三十~四十回のワンセットを一日数回ずつ根気よく続ければ、必ず効果が現われてくるはずだ。

しかし、体を鍛えるだけでは不充分。勃起力を維持するためになによりも大切なのは、心身の健康である。当たり前すぎて面白昧もなにもないかもしれないが、事実なのだから仕方がない。栄養不良やストレスなど身体機能に悪影響を及ぼす事柄があれば、それだけ精力がおとろえ、勃起力も弱く夏ていく。日ごろから食事に気をつけ、適度な運動で汗を流すよう心掛けることが、セックスと末永く付き合っていく秘訣である。

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